モルタル扱いで注意しなければいけないポイントとモルタルを作る際に使えるテクニック

「モルタル造形をする時に、気を付けた方がいいポイントを知りたい」このような疑問にお答えします。この記事では、モルタルを扱う際に注意しなければならないポイントとモルタルを上手く作るテクニックを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

モルタルの扱いで注意するポイント

モルタル造形

モルタルを扱う際に注意しなければならないポイントは下記のとおりです。

● 肌や目を保護する
● 周囲をしっかり養生する
● モルタルに加える水の量に注意する
● モルタルは使い切れる分だけ作る
● 手早く作業する
● 使用した道具を洗う際は注意する

それぞれ具体的に解説します。

肌や目を保護する

肌や目をきちんと保護して作業に取り掛かりましょう。モルタルはPH10を超える強アルカリ性の建材です。手袋や長袖など肌を保護して作業しないと皮膚を溶かしてしまいます。特にモルタルは時間が経過すると固まるので、長時間皮膚に付着してしまいます。

肌だけでなくゴーグルなどで目も保護しましょう。モルタルはセメントと砂、水を混ぜて作りますが、水を加える際や混ぜている最中に不意に飛んでくる可能性があります。強アルカリ性であるモルタルが目に入ると、眼球の中まで浸透してダメージを与えてしまうので、最悪の場合失明してしまいます。

保護できる衣類として「つなぎ」がおすすめです。つなぎであれば、全身を保護できますし、汚れても洗濯物が1つで済みます。ただし、半袖の物では意味がないので、ちゃんと長袖の物を購入しましょう。

周囲をしっかり養生する

作業を始める前に、周囲をしっかりと養生してください。モルタルは作業中だけでなく、モルタルを作る所から飛散する可能性が高いです。養生していないと想定していない場所や物にモルタルが飛散して、気づかないうちに固まって取れなくなる可能性があります。

養生するためには、ブルーシートやマスキングテープ、養生テープなどがありますが、広範囲を楽に保護したいのであれば、「マスカー」というテープと保護フィルムが一体になっているアイテムがおすすめです。

詳しくは後述しますが、モルタルがついた物は気軽に洗うことができません。そのため、事前にモルタルが飛散しても、問題がないように対策しておくのが大切です。

モルタルに加える水の量に注意する

モルタルを作る際の、水の量には注意してください。セメントの袋に適正な加水量が表記されているとは思いますが、季節や気候によって適切な水分量は異なります。そのため、少量ずつ水を加えながら作らないと、適切な粘度になりません。

水の量が多くなってしまうと、モルタルが緩くて壁面に塗った際に流れ落ちてしまいます。反対に、水の量が少ないと、モルタルがもさっとしてしまい上手く伸びてくれないので、塗った際にデコボコが目立ったり造形が難しくなってしまいます。

モルタルは使い切れる分だけ作る

モルタルは使い切れる分だけ作って、足りなくなったら新しく作るようにしましょう。モルタルを作りすぎてしまうと、作業している間にどんどん固まってきてしまうので、使いきれなくなる可能性があります。また、余らせてしまった場合に、保存がきかないので処理に困るでしょう。

もし、余らせてしまった場合は、細かく砕いて砂利石として利用するか、牛乳パックに流し込んでコンクリートブロックとして利用できます。また、余ったモルタルで小物を作ったり家具をリフォームするのもおすすめです。

手早く作業する

モルタルを作ったら、できるだけ手早く作業を進めてください。作業に集中していると時間を忘れることも多いでしょう。すると、気づかないうちにモルタルが固まってしまい、無駄になってしまいます。

手早く作業するコツは、まず全体にザックリとモルタルを塗って、細かい造形を後回しにするやり方です。慣れないうちは、一つの場所を100%の出来になるまでこだわってしまいがちですが、60~70%の完成度で全体を作る方が作業スピードが早くなるのと同時に、全体のバランスもまとまるので、結果的にも上手くいきやすいです。

使用した道具を洗う際は注意する

使用した道具を洗う際は、洗面所やお風呂場で洗ってはいけません。もし洗ってしまうと、排水溝や配管の中でモルタルが固まってしまい、詰まって使用できなくなってしまいます。

道具を洗う際は、トロ船などの大きめの容器に水を貯めて、まとめて洗ってください。洗い終わったら、トロ船を安静な場所にしばらく放置しておくと、モルタルだけが沈殿して底に溜まります。上澄みだけを排水した後に残ったモルタルは、自治体の指示に従って適切に処分してください。

モルタルを作る際に使えるテクニック

モルタル造形

モルタルはセメント1に対して砂を3の割合で混ぜて、水を加えて混ぜれば完成です。すでに、セメントと砂がバランスよく混ぜられていて、水を加えるだけでモルタルが完成する商品も売っています。

しかし、これから紹介するテクニックを使えば、作業がしやすくなったり失敗が減るので、ぜひ参考にしてください。具体的には下記の2つです。

● 混和剤を混ぜる
● カラーパウダーを混ぜる

それぞれ具体的に解説します。

混和剤を混ぜる

混和剤とは、モルタルの伸びや滑らかさを引き出してくれる薬剤です。混和剤を混ぜれば、水分量が少なくても扱いがしやすくなるのに、モルタルは垂れづらくなります。そのため、コテでモルタルが塗りやすくなったり、型を使って形を作る際に型が外れやすくなります。

混和剤には減衰剤や流動化剤など様々な種類があり、強度を高めたり効果を早めたりと効果が異なります。そのため、目的に合った混和剤を購入してください。特に、初めてモルタルを扱う際は、慣れていないでしょうから無理せずに混和剤を入れた方が良いでしょう。

カラーパウダーを混ぜる

カラーパウダーとは、モルタルに後から着色するのではなく、モルタル自体に色を付けるパウダーです。カラーパウダーを使えば、事前にある程度の着色が可能になるので、塗装の手間が省けます。

また、モルタルを白やベージュに着色しておけば、後から塗装する際に塗料の色が乗りやすくなります。モルタルは基本的にグレーなので、塗装した際にグレーがうっすら見えるため明度が暗くなるからです。

まとめ

モルタル造形

この記事では、モルタルを扱う際の注意するポイントについて解説しました。

まずは、つなぎやゴーグルで肌と目を保護しましょう。モルタルは強アルカリ性なので、皮膚や眼球を溶かしてしまいます。特に、時間がたつと固まってしまい、取りづらくなってしまうので、気を付けてください。

自分だけでなく周囲もしっかりと養生しましょう。想定していない場所や物にモルタルがついてしまい、固まって取れなくなる可能性があります。

モルタルを作る際は、加える水の量に注意してください。水を入れすぎると、緩くなってしまい垂れやすくなり、反対に水が少ないと硬くて塗りづらかったり加工しづらくなります。

また、作るモルタルの量も少量ずつにした方が良いです。作りすぎると作業中に固まってしまったり、使い切れずに無駄になってしまいます。同様の理由で、作業は手早くおこないましょう。素早く作業するコツは、一点に集中するのではなく、全体を大まかに造形することです。

最後に使用した道具は、洗面台やお風呂場では洗わないでください。配管の中でモルタルが固まってしまい、詰まって流れなくなってしまいます。

モルタルを作る際は、混和剤やカラーパウダーを混ぜると扱いやすくなり、塗装も楽になるので、おすすめです。